この記事のポイント AGAの薬は大きく「内服薬」「外用薬」に分かれ、いずれも診療ガイドラインで推奨度A。内服はフィナステリド・デュタステリド、外用はミノキシジル。役割(進行を抑える/発毛を促す)が違う。内服のミノキシジル(ミノタブ)は国内ではAGA未承認。個人輸入・市販薬には注意点がある。どの薬が合うかは医師の診察で決めるのが基本。本記事は公的情報をもとに専門医監修で作成。
はじめに|AGAの薬、種類が多くて迷っていませんか
「AGAの薬って結局どれを飲めばいいの?」「飲み薬と塗り薬は何が違う?」「市販薬や個人輸入でも大丈夫?」。調べるほど情報が多く、迷ってしまう方は少なくありません。
この記事では、AGAの薬の種類・効果・副作用・選び方・購入時の注意までを、診療ガイドラインや添付文書をもとに専門医監修で整理します[1]。まず、AGAの薬の全体像を地図で確認しましょう。
治療全体を知りたい方は →AGA治療とは?種類・効果・期間・費用
AGAの薬の種類は大きく3タイプ|全体マップ
AGAに用いられる薬は、国内でAGA治療薬として承認されている「フィナステリド・デュタステリドの内服薬」「ミノキシジル外用薬」と、国内ではAGA治療薬として承認されていない「ミノキシジル内服薬」に分けると整理しやすくなります[1]。

| 薬の種類 | 代表的な薬 | 役割・特徴 |
|---|---|---|
| 内服薬 | フィナステリド/デュタステリド | DHTの生成を抑え、AGAの進行を抑える。推奨度A。 |
| 外用薬 | ミノキシジル | 頭皮に塗る薬。発毛・育毛を促す。推奨度A。市販もある。 |
| 内服ミノキシジル | (ミノタブ) | 国内ではAGA未承認・推奨度D。全身性の副作用リスク。 |
AGAの内服薬(飲み薬)|フィナステリド・デュタステリド
AGAの内服薬は、脱毛に関わる男性ホルモンDHTの生成を抑えて、進行を抑える働きをします[1]。代表的なのがフィナステリドとデュタステリドで、どちらも診療ガイドラインで推奨度Aです。
フィナステリド(プロペシアなど)
II型5α還元酵素を抑える飲み薬で、国内で承認された効能は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」です[2]。実績が長く、AGAの内服治療の基本としてよく使われます。効果の確認には通常6か月程度の継続が必要です[2]。
デュタステリド(ザガーロなど)
I型・II型の両方の5α還元酵素を抑える飲み薬で、効能は「男性における男性型脱毛症」です[3]。フィナステリドで効果が物足りない場合の選択肢にもなります。両者の詳しい違いは別記事で解説しています。
いずれの内服薬も、女性(特に妊婦・妊娠の可能性のある方)は使用できません。また、小児に対する安全性・有効性は確立していません[2][3]。必ず医師の診察を受けて使用します。

AGAの外用薬(塗り薬)|ミノキシジル
外用薬の中心はミノキシジルです。頭皮に塗るタイプで、診療ガイドラインで推奨度Aとされています[1]。内服薬がDHTを抑えて進行を抑えるのに対し、ミノキシジルは毛の成長を促す方向に働くとされ、内服薬との併用もよく行われます。
日本では市販の発毛剤(第1類医薬品・リアップ等)としても入手でき、「壮年性脱毛症における発毛、育毛、抜け毛の進行予防」の効能が認められています[4]。男性用は5%、女性用は1%の濃度が用いられます。

内服のミノキシジル(ミノタブ)は国内未承認
ミノキシジルには飲み薬(通称ミノタブ)もありますが、国内ではAGA治療薬として承認されていません[1]。もともと高血圧の治療薬で、動悸・むくみ・全身の多毛などの全身性の副作用が報告されており、診療ガイドラインでも推奨度D(行うべきではない)とされています[1]。外用のミノキシジルとは別物として、自己判断での使用は避けてください。

AGAの薬の選び方|「どれがおすすめ?」への考え方
「どの薬が一番おすすめか」は、一概には言えません。進行の程度や体質、副作用の出方、続けやすさによって適した薬は変わるためです。以下はあくまで一般的な考え方の例で、実際の選択は医師が診察のうえ判断します。
- 進行を抑える治療として、フィナステリドなどの内服薬を検討する。
- 発毛も目指したい場合は、医師の判断のもとミノキシジル外用を組み合わせることもある。
- 内服で効果が物足りない場合に、デュタステリドへの変更を医師と検討する。
いずれも自己判断ではなく、医師の診察を受けて決めることが基本です。市販の外用薬から試す方法もありますが、AGAが進行している場合は医療機関への相談をおすすめします。

AGAの薬は市販・通販・個人輸入で買える?注意点
AGAの薬は入手方法によって安全性が大きく変わります。ここは特に注意したいポイントです。
市販薬(ドラッグストア等)
市販で買えるのは、ミノキシジルの外用薬(発毛剤)が中心です[4]。フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬は医療用医薬品で、市販されていません。医師の処方が必要です。
通販・個人輸入の内服薬は特に注意
インターネットの個人輸入で海外の内服薬を入手することもできますが、リスクがあります。海外から個人輸入した薬で健康被害が起きても、公的な救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外です[5]。また、有効成分が不足していたり混入物があったりする偽造薬のリスクも指摘されています。安全のためにも、医師の処方を受けることをおすすめします。

AGAの薬の副作用
内服薬では性欲減退や勃起機能不全(ED)などの性機能に関する症状、外用薬では頭皮のかゆみ・かぶれなどが報告されています[2][4]。発現する頻度は試験により幅がありますが、いずれも添付文書に記載があります。気になる症状が現れた場合は、薬の種類や症状に応じて使用を中止する必要もあるため、医師や薬剤師に相談してください。詳しくは副作用の記事で解説しています。
副作用を詳しく →AGA治療の副作用とは?フィナステリド等のリスクと対処法

AGAの薬は「やめるとどうなる」?
AGAの薬は、中止すると効果が失われていきます[1]。AGAは進行性のため、薬をやめると再び進行していくと考えられます。効果を保つには継続が必要になる点を、始める前に理解しておくことが大切です。費用や続けやすさも含めて、医師と相談しながら無理のない方法を選びましょう。

AGAの薬の費用の目安
AGA治療は健康保険が使えない自由診療のため、薬代は全額自己負担です[1]。内服薬はクリニックやオンライン診療によって月数千円から一万円台が一つの目安とされることが多いですが、薬の種類や組み合わせ、診察料・送料によって変わります。正確な金額は各クリニックの料金表で確認するのが確実です。

女性のAGA(薄毛)の薬は違う
女性の薄毛(女性型脱毛症、FAGA)には、男性とは異なる対応が必要です。フィナステリドやデュタステリドは女性には使用できません(禁忌)[2][3]。女性用には1%濃度のミノキシジル外用などが用いられます[4]。自己判断せず、医療機関で相談してください。

よくある質問(FAQ)
AGAの薬について、よく寄せられる質問にお答えします。
Q. AGAに一番効く薬は?
A. 一番とは一概に言えません。進行度・体質・副作用の出方で適した薬が変わります。内服・外用とも推奨度Aの薬があり、どれが合うかは医師と相談して決めましょう[1]。
Q. AGAの薬は市販で買える?
A. 市販で買えるのは主にミノキシジル外用薬(発毛剤)です。フィナステリド等の内服薬は処方が必要です[4]。
Q. 個人輸入の薬は大丈夫?
A. 個人輸入した医薬品による健康被害は公的救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外です。また、偽造薬などのリスクもあるため、医師の処方を受けることをおすすめします[5]。
Q. 薬をやめるとどうなる?
A. 中止すると効果は失われ、進行性のため再び進行すると考えられます。効果維持には継続が必要です[1]。
Q. 女性もAGAの薬を使える?
A. フィナステリド・デュタステリドは女性は使用できません。女性の薄毛には別の対応(女性用ミノキ外用など)が必要です[2][3]。
まとめ|薬の種類と入手方法を正しく理解する
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- AGAの薬は内服(フィナ・デュタ)と外用(ミノキシジル)が中心で、いずれも推奨度A。
- 内服ミノキシジル(ミノタブ)は国内AGA未承認。外用とは別物。
- 市販は外用が中心。内服は処方が必要。個人輸入は救済制度の対象外。
- どの薬が合うか・やめどきは、自己判断せず医師と相談して決める。女性は使えない薬がある。
薬の種類と入手方法を正しく理解することが、安全に治療を続ける第一歩です。気になることがあれば、まずは医療機関に相談してみましょう。
AGA治療とは?/AGA治療の副作用/フィナvsデュタの違い/「AGAオンラインクリニックおすすめ10選」
出典一覧
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」日皮会誌127(13):2763-2777, 2017. https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/AGA_GL2017.pdf
- プロペシア錠(フィナステリド)添付文書(KEGG医療用医薬品情報). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00051088
- ザガーロカプセル(デュタステリド)添付文書(KEGG医療用医薬品情報). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00065940
- 大正製薬 リアップ製品情報(第1類医薬品・ミノキシジル外用). https://brand.taisho.co.jp/riup/
- PMDA 医薬品副作用被害救済制度 ※個人輸入薬は対象外となる場合あり. https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0001.html
