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ED治療薬とは?種類・効果・副作用・選び方を専門医監修で解説

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ED治療薬の種類・効果・副作用・選び方を専門医監修で解説。3種類の違い、2026年7月発売の市販薬(要指導医薬品)の買い方と価格、ジェネリックや保険、個人輸入の危険、禁忌まで一次情報にもとづき中立にまとめました。

この記事の監修医 村上泰清 村上泌尿器科クリニック/泌尿器科専門医 泌尿器科 ED専門 プロフィールを見る
ED治療薬とは?

この記事のポイント ED治療の中心は「PDE5阻害薬」という飲み薬。代表はシルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルの3種類。効能はいずれも「勃起不全」。作用時間や食事の影響などに違いがあり、「最強」と一律に序列化はできない。硝酸薬などとの併用禁忌がある。個人輸入は偽造品・救済対象外のリスクが高く避ける。2026年7月31日にタダラフィル10mgが市販薬(要指導医薬品)として発売。18才以上の本人が薬剤師の説明を受けて1回1箱まで。

はじめに|「結局どの薬がいいの?」に中立で答えます

「ED治療薬って何種類あるの?」「どれが一番効くの?」「市販で買える?通販は大丈夫?」。調べるほど『おすすめ』『最強』といった情報があふれ、かえって迷ってしまう方は少なくありません。

この記事では、ED治療薬の種類・効果・副作用・入手方法・選び方を、添付文書や公的情報をもとに専門医監修で中立に整理します。結論からお伝えすると、薬には「最強の1つ」はなく、特性の違いを理解して医師と選ぶのが基本です。 まずは全体像から見ていきましょう。

EDそのものを知りたい方は →EDとは?意味・原因・症状・治療を解説

ED治療薬の中心は「PDE5阻害薬」|まず全体像

ED治療の中心となる薬は、PDE5阻害薬と呼ばれる飲み薬です[9]。代表的なものに、シルデナフィル(バイアグラ)、タダラフィル(シアリス)、バルデナフィル(旧レビトラ)の3種類があり、国内で承認された効能・効果はいずれも「勃起不全」です[1][2][3]

ED治療薬PDE5阻害薬3種の全体像のまとめ図
図:ED治療薬(PDE5阻害薬)の全体像

これらは、性的な刺激があって初めて働く薬で、飲めば自動的に勃起するわけではありません[9]。勃起は、陰茎に血液が流れ込んで保たれることで起こります。PDE5阻害薬は、その「血流を保つ働き」を後押しする薬です(専門的には、血流の維持にかかわる物質を分解する酵素=PDE5の働きをおさえます)。どれが合うかは個人差があり、持病や飲んでいる薬(後述の禁忌)も踏まえて医師が判断します。

ED治療薬3種類の比較|特性の違い

3種類は「どれが優れているか」ではなく、作用時間や食事の影響などの特性が違うと理解するのがポイントです。主な違いを表で整理します。

シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルの特徴比較表
図:主なED治療薬(PDE5阻害薬)3種の特徴
成分(製品)作用のタイプ食事の影響ジェネリック
シルデナフィル(バイアグラ)即効・短時間型受けやすい(空腹時が望ましい)あり
タダラフィル(シアリス)作用が長めのタイプ受けにくいあり
バルデナフィル(旧レビトラ)比較的すばやく働く受けにくいとされるあり(先発は販売終了)

※効能はいずれも「勃起不全」。効果の感じ方には個人差があります。

バイアグラ(シルデナフィル)|実績が長い即効タイプ

最も実績の長い薬で、比較的すばやく働く即効型とされます[1]。食事の影響を受けやすいため、空腹時の服用が望ましいとされています。飲んですぐ効いてほしい人に向いた特性です。

シアリス(タダラフィル)|作用が長いタイプ

作用が長めで、添付文書では服用後の一定時間まで有効性が認められているとされ、食事の影響を受けにくいのが特徴です[2]。食事やタイミングをあまり気にせず使いたい人に向いた特性です。

レビトラ(バルデナフィル)|飲み合わせに注意

比較的すばやく働くとされる薬です。なお、先発の「レビトラ」は2021年に販売を終了しており、現在は同じ成分のジェネリック(バルデナフィル錠)が流通しています[3]。この薬には後述のとおり特有の飲み合わせの注意があります。

ED治療薬の副作用と「飲み合わせ」の注意

ED治療薬は医師・薬剤師の指導のもとで使えば心強い選択肢ですが、安全に使うために必ず知っておきたい注意点があります。

ED治療薬の副作用・併用禁忌の注意のまとめ図
図:ED治療薬の副作用と禁忌の注意

主な副作用

ほてり・頭痛などが報告されています[1][2]。頻度は高くありませんが、ごくまれに、目の異常(視力の低下=NAIONと呼ばれる視神経の障害)や、急な聴力の低下・突発性難聴が報告されています。こうした症状が出たら、すぐに服用を中止して受診してください。

併用してはいけない薬(飲み合わせ・禁忌)

特に注意したいのが飲み合わせです。心臓(狭心症・心筋梗塞など)や肺高血圧症の治療で薬を使っている方は要注意です。具体的には、硝酸薬・NO供与剤(ニトログリセリン、ニコランジルなど)や、肺高血圧症の薬リオシグアトとは、一緒に使うことができません(併用禁忌)。血圧が下がりすぎる危険があるためです[1]。さらに、バルデナフィルは先天性QT延長症候群や一部の不整脈の薬(クラスIA・クラスIII抗不整脈薬)、一部のHIV治療薬や抗真菌薬と、バイアグラは経口の抗不整脈薬アミオダロンと併用できません[1][3]。薬以外でも、血圧を下げる薬(α遮断薬など)との併用には注意が必要です。

自分の薬が当てはまるか分からない場合は、お薬手帳を持って医師・薬剤師に確認すれば確実です。自己判断で併用しないでください。

副作用をもっと詳しく →EDとは?の治療・注意点もあわせてご覧ください

ジェネリック・費用・保険適用について

シルデナフィルとタダラフィルにはジェネリック(後発品)があり、有効成分・効能は先発と同じで、価格は安い傾向があります。通常のED治療は健康保険が使えない自由診療(自費)で、薬代や診察料は医療機関によって異なります。

ED治療薬のジェネリック・費用・保険のまとめ図
図:ジェネリック・費用・保険のポイント

なお、2022年4月から、「不妊治療を目的とするタイミング法」に限って、先発のバイアグラ・シアリスが条件付きで保険適用となりました[5]。ただし、泌尿器科で一定の経験を持つ医師の処方であること、1か月あたりの錠数の上限があることなど複数の要件があり、ジェネリックは対象外、通常のED治療は引き続き自費です。誤解しやすい点なので、保険の利用可否は医療機関で確認してください。

ED治療薬は市販・通販で買える?個人輸入の危険

「市販で買えるのか」は、多くの方が気にされる点です。2026年7月にタダラフィルの一部が市販薬として発売され、状況が変わりました。ただし棚から自由に取ってレジへ持っていける薬ではありません。入手方法ごとの違いを整理します。

ED治療薬の入手方法(処方・要指導医薬品・サプリ・個人輸入)の整理図
図:ED治療薬の入手方法と注意

2026年7月、国内初のED市販薬が発売(要指導医薬品)

2026年7月31日から、タダラフィル10mgが「シアリス」(エスエス製薬)として薬局・ドラッグストアで販売されています。 国内初のED治療薬の市販化です。2026年5月20日に要指導医薬品として承認され、7月31日にイオン・ツルハ・ウエルシア各グループの薬剤師がいる店舗で先行発売、2026年8月31日に全国で発売される予定です[4][11][12]

市販されるのは10mg・4錠入りのみです。効能・効果は「ぼっ起不全(満足な性行為を行うに十分なぼっ起とその維持が出来ない人)」で、用法は成人男性(18才以上)が1回1錠を性行為の約1時間前に服用し、1日1錠まで・24時間以上あけるとされています[11]

項目市販のシアリス(要指導医薬品)
買える人18才以上の成人男性本人のみ(年齢確認のため身分証の提示を求められる場合があります)
1回の購入量1箱(10mg×4錠)まで
買い方(1) チェックシート(Web・LINEなど)に回答 → (2) 結果を薬剤師に提示して説明を受ける → (3) 薬剤師が可と判断した場合に販売
希望小売価格税込5,808円(実売価格は店舗により異なります)
併用できない薬硝酸剤(ニトログリセリン、ニコランジル等)、リオシグアト、一部の抗真菌薬、クラリスロマイシン。グレープフルーツジュースは避けるとされています

「要指導医薬品」とは、市販薬の中でも特に慎重な扱いが必要な区分です。買うたびに薬剤師の説明を受ける必要があり、第1類〜第3類の一般用医薬品のように棚から取ってそのままレジへ、という買い方はできません。

なお、2026年5月1日に施行された改正薬機法により、要指導医薬品は薬剤師の対面に加えて、映像と音声のやりとり(ビデオ通話など)による情報提供・指導も認められるようになりました[13]。対面での販売が維持されるのは「特定要指導医薬品」に指定された成分だけで、タダラフィルは指定されていません[12]。ただし発売時点でメーカーが案内しているのは薬剤師のいる店舗での購入で、公式のネット販売は案内されていません[11]。「ネットで買える」とうたうサイトを見かけたときは、正規の販売店かどうかを確かめてください。

持病や飲んでいる薬がある方は、購入時に必ず薬剤師(または医師)に相談してください。

「市販の精力剤・サプリ」とは別物

ドラッグストアなどで「精力剤」「ED対策」をうたって売られるサプリメントや栄養ドリンクは、医薬品ではありません。これらは食品などにあたり、EDを治療・改善する効果を表示することは法律上認められていません。PDE5阻害薬の代わりにはならないため、別物として理解しておきましょう。

ネット通販・個人輸入は避ける

インターネットの個人輸入で安く入手できるように見える薬には、大きなリスクがあります。2016年の製薬会社4社の合同調査では、ネットで入手したED治療薬の約4割が偽造品だったと報告されています[6]。さらに、個人輸入した薬で健康被害が起きても、公的な救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります[7][8]。『個人輸入ランキング』などの情報に頼らず、医師の処方や薬剤師の確認を受けて入手することをおすすめします。

薬が合わない・使えないときは?薬以外の選択肢

PDE5阻害薬が体質に合わない、禁忌で使えないといった場合にも、いくつかの選択肢があります。まずは生活習慣の見直しが基本となります[10]

ED治療で薬以外の選択肢のチェックリスト図
図:薬が合わない・使えないときの選択肢

陰圧式の勃起補助具(VED)には国内で承認された管理医療機器があります[10]。このほか、陰茎海綿体注射(ICI)や低出力体外衝撃波療法(Li-ESWT)といった方法もありますが、これらは国内では適応として承認されていない・効果のエビデンスが限定的なものを含み、多くは自費です。最終的な選択肢として手術(陰茎プロステーシス)もあります。

漢方薬(柴胡加竜骨牡蛎湯など)が補助的に用いられることもありますが、EDそのものへの効果を示す質の高いエビデンスは限定的で、PDE5阻害薬の代わりになるものではありません。いずれの方法も、自己判断せず医師に相談して選びましょう。

自分に合うED治療薬の選び方

「ED治療薬 最強」「おすすめランキング」といった情報を目にしますが、薬の効果は『最強』のように一律で序列化できるものではありません。効果の感じ方には個人差があり、適応や禁忌も人によって違うためです。次のような視点で、医師と相談しながら選ぶのが基本です。

ED治療薬の選び方の視点チェックリスト図
図:自分に合うED治療薬を選ぶときの視点

効果の持続を重視するか即効性を重視するか、食事やお酒の影響を受けにくい方がよいか、持病や飲んでいる薬(禁忌)がないか、費用や続けやすさ(ジェネリックの有無)はどうか——こうした点を整理して医師に伝えると、自分に合った薬を選びやすくなります。最終的な判断は、医師の診察のうえで行います。

受診先・オンライン診療を知りたい方は →EDは何科?オンライン診療(準備中)

よくある質問(FAQ)

ED治療薬について、よく寄せられる質問にお答えします。

Q. ED治療薬は市販で買えますか?

A. 2026年7月31日から、タダラフィル10mg(シアリス)が市販薬(要指導医薬品)として薬局・ドラッグストアで販売されています。18才以上の本人がチェックシートに回答し、薬剤師の説明を受けたうえで1回1箱まで購入できる仕組みです[11][12]。シルデナフィルやバルデナフィルは医療用医薬品のままで、医師の処方が必要です。市販の精力剤・サプリはED治療薬とは別物です。

Q. どのED治療薬が一番効きますか(最強はどれ)?

A. 「最強」と一律に決めることはできません。3種類は作用時間や食事の影響などの特性が違い、合うかどうかは個人差・適応・禁忌によります。医師と相談して選びましょう[9]

Q. ジェネリックは先発と効果が違いますか?

A. シルデナフィル・タダラフィルのジェネリックは有効成分・効能が先発と同じで、価格は安い傾向があります[2]

Q. 個人輸入や通販で買っても大丈夫ですか?

A. 偽造品の割合が高く(調査で約4割)、健康被害が出ても公的な救済の対象外になる場合があります。医師の処方や薬剤師の確認を受けて入手してください[6][8]

Q. 薬以外でEDを改善する方法はありますか?

A. 生活習慣の見直しが基本で、陰圧式器具(VED)などの選択肢もあります。ICIや衝撃波療法は国内未承認・エビデンスが限定的なものを含みます。医師に相談しましょう[10]

Q. 結局どれがおすすめですか?

A. 一律の「おすすめ」はありません。即効性・作用時間・食事の影響・費用・持病や飲んでいる薬(禁忌)によって適した薬は変わります。特性を整理して医師に相談し、自分に合うものを選ぶのが近道です[9]

Q. ED治療薬とお酒は一緒に飲めますか?

A. 少量の飲酒で直ちに問題になるとは限りませんが、過度の飲酒は勃起しにくくする要因にもなります。薬との関係も含め、心配な場合は医師・薬剤師に確認しましょう[2]

Q. ED治療薬に保険は使えますか?

A. 通常のED治療は自費です。2022年4月から、不妊治療を目的とするタイミング法に限り、要件を満たす場合に先発のバイアグラ・シアリスが保険適用になりました(ジェネリックや通常のED治療は対象外)[5]

まとめ|「最強」で選ばず、特性と禁忌で医師と決める

最後に、この記事の要点を振り返ります。

ED治療薬記事の要点まとめ図
図:この記事のまとめ
  • ED治療薬の中心はPDE5阻害薬3種。効能は同じ「勃起不全」で、作用時間や食事の影響などに違いがある。
  • 硝酸薬などとの併用禁忌があり、持病・併用薬は必ず医師・薬剤師に申告する。
  • 個人輸入は偽造品・救済対象外のリスクが高く避ける。2026年7月31日にタダラフィル10mgが市販薬(要指導医薬品)として発売。
  • 「最強」では選べない。特性・費用・禁忌を踏まえ、医師と相談して選ぶ。

ED治療薬は、正しく知り、医師・薬剤師の確認のもとで使えば心強い選択肢です。情報の『おすすめ』『最強』に振り回されず、自分に合った方法を相談して選びましょう。

EDとは(基礎)EDの原因EDは何科?オンライン診療/ED・AGAオンライン診療の選び方・比較

出典一覧

  1. バイアグラ錠(シルデナフィルクエン酸塩)添付文書(KEGG医療用医薬品情報). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066489
  2. シアリス錠(タダラフィル)添付文書(KEGG医療用医薬品情報). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053585
  3. バルデナフィル錠(旧レビトラ)添付文書(KEGG医療用医薬品情報). https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068797
  4. エスエス製薬 ニュースリリース(タダラフィルの要指導医薬品としての製造販売承認取得・2026年5月20日). https://www.ssp.co.jp/news/2026/20260520/
  5. 厚生労働省 不妊治療に関する保険適用の通知(令和4年3月25日 保医発0325第7号). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6607&dataType=1&pageNo=1
  6. ファイザー・バイエル薬品・日本新薬・日本イーライリリー4社合同調査(2016). 報道:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H9T_U6A121C1CR8000/
  7. 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」(個人輸入の注意). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html
  8. PMDA 医薬品副作用被害救済制度 ※個人輸入した医薬品は対象外となる場合があります. https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0032.html
  9. 男性性機能障害診療ガイドライン2025年版(日本性機能学会/日本泌尿器科学会編、2025). https://www.jssm.info/
  10. 東邦大学医療センター大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科)ED解説. https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/repro/patient/ed.html
  11. エスエス製薬 ニュースリリース(シアリスの先行発売・2026年7月31日/全国発売は2026年8月31日予定). https://www.ssp.co.jp/news/2026/20260731/
  12. 厚生労働省「要指導医薬品一覧」(タダラフィル:承認 令和8年5月20日/販売開始 令和8年7月31日。特定要指導医薬品の指定はレボノルゲストレルのみ). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/yoshidoiyakuhin.html
  13. 厚生労働省 令和7年度第4回医薬品等安全対策部会 参考資料1-1「令和7年薬機法改正について(要指導医薬品関係)」(令和8年5月1日施行). https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001666648.pdf
この記事の監修医 村上泰清 村上泌尿器科クリニック/泌尿器科専門医

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の診断・治療・医薬品を推奨するものではありません。効果には個人差があり、症状や治療についての判断は必ず医師にご相談ください。

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