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中折れは改善できる?原因・セルフケア・治療法を医師が解説

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中折れは医学的にはEDの一種で、原因に応じて改善が期待できます。加齢・生活習慣・心因・薬剤などの原因、今日からできるセルフケア、PDE5阻害薬などの治療法、受診先までを医師が中立に解説します。

この記事の監修医 小栁 太一 医師/ユナイテッドクリニック・ED/AGA診療 プロフィールを見る
中折れは改善できる?原因・セルフケア・治療法を医師が解説

この記事のポイント 「中折れ」は医学的にはED(勃起障害)の一種。原因に応じて改善が期待できる症状。 原因は加齢・生活習慣病・心因・薬剤など。まずは食事・運動・睡眠・禁煙のセルフケアから。 改善しなければ泌尿器科や専門クリニックへ。PDE5阻害薬など治療の選択肢がある。 硝酸薬(狭心症の薬)を使っている方はED治療薬が併用禁忌。自己判断せず医師に相談を。

「いざという時に最後までもたない」「挿入できても途中で萎えてしまう」——このような「中折れ」の悩みを抱え、パートナーとの関係に自信をなくしたり、一人で深く悩んだりしている男性は少なくありません。年齢のせいだからと諦めてしまう方もいますが、中折れは医学的な視点から見ると、適切なアプローチによって改善が期待できる症状です。本記事では、中折れの基準や医学的な原因、セルフケア、クリニックでの治療法までを解説します。

EDの基本から知りたい方は →EDとは?意味・原因・症状・治療を解説

これってどうなの?中折れの基準

そもそも「中折れ」とは、医学的には「ED(勃起障害:Erectile dysfunction)」の一種として分類されます。EDと聞くと「最初から全く勃起しない状態」だけをイメージするかもしれませんが、それは誤解です。医学的なEDの定義は「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態」とされています。[4]

つまり、最初は勃起するものの、挿入時や性行為の途中で硬さが失われて柔らかくなり、射精に至らない「中折れ」も、ED(勃起維持の障害)に該当します。世界中の成人男性の5〜20%が中等度ないし完全なEDに相当するとされ、決して珍しい悩みではありません。日本国内における2023年の全国調査でも、挿入不可能な男性が約1,400万人存在することが明らかになっています。加齢とともに有病率は上昇し、50歳以上で約40%、60歳以上で約50%に達しますが、最近では比較的若年層のEDも増加傾向にあります。

医学的に解説|中折れ4つの原因

中折れを含むEDの発症原因は、大きく「器質性(体の機能や構造の問題)」「心因性(心や精神の問題)」に分類されます。ここでは代表的な4つの原因を医学的に解説します。

図1 EDの4つのタイプ

EDの4つのタイプ。器質性ED、心因性ED、混合型ED、薬剤性ED
EDは原因により4つのタイプに整理されます。原因が一つとは限らず、複数の要因が重なることもあります。

加齢

加齢はEDの最も大きな原因のひとつです。とくに、加齢や社会的なストレスに伴って男性ホルモンである「テストステロン」の分泌量が低下すると、「LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。テストステロンは性欲の維持や勃起機能に深く関与しているため、減少すると性欲低下や中折れといった症状が引き起こされます。LOH症候群では、うつ症状やイライラなどの精神症状、睡眠障害や筋力低下といった身体症状も現れるのが特徴です。

生活習慣の乱れと生活習慣病

健康的な勃起には、スムーズな血流が不可欠です。性的刺激を受けると一酸化窒素(NO)が産生され、陰茎海綿体の平滑筋細胞内で「cGMP」という物質が上昇することで血管が拡張し、血液が流れ込んで勃起が生じます。しかし、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満といった生活習慣病があると、全身の血管や神経にダメージが蓄積します。動脈硬化などが進行すると、陰茎に十分な血液を送り込めなくなったり、流れ込んだ血液を維持できなくなったりするため、性行為の途中で血液が引いてしまい中折れにつながります。

精神的なストレスやプレッシャー

体や血管の機能に異常がなくても、心理的な要因で中折れしてしまうのが「心因性ED」です。仕事の疲労やストレスに加えて、「また途中で萎えてしまうのではないか」といった予期不安や焦りが大きな原因となります。とくに不妊治療中などで、排卵日に合わせて義務的に性交渉を行う「タイミング法」を強いプレッシャーに感じて発症するケースが多く見られます。マスターベーションでは正常に勃起・射精できるのに、パートナーとの性交時に中折れする場合は、心因性EDの可能性が高いと考えられます。

服用している薬の副作用

見落とされがちなのが、他の疾患の治療のために服用している薬の副作用による「薬剤性ED」です。たとえば、高血圧の治療薬である降圧剤の一部や、抗うつ薬・精神安定剤などは、勃起のメカニズムや性欲の神経伝達に影響を与え、中折れを引き起こすことがあります。気になる場合は、自己判断で中止せず医師に相談してください。

原因を年代別にもっと詳しく →EDの原因は?年代別・生活習慣・薬・心の要因

いますぐできる中折れのセルフケア

中折れを改善し、健康的な性生活を取り戻すためには、医療機関での治療の前に、まずは自分自身の生活習慣を見直すことが大切です。今日から始められるセルフケアをご紹介します。

食事・運動・睡眠による生活習慣の改善

肥満や運動不足はEDのリスク要因として挙げられています。適度な運動で肥満を解消し、バランスのとれた食事を心がけましょう。とくに運動は全身の血流を促進し、血管の健康を保つために有効です。また、質の高い十分な睡眠は、ストレスの軽減や男性ホルモン(テストステロン)の正常な分泌を促すために欠かせません。

禁煙と過度な飲酒を控える

タバコに含まれるニコチンなどの成分は血管を強く収縮させ、血流を悪化させます。ED診療のガイドラインでも喫煙はリスク要因として挙げられています。[4] また、過度な飲酒も神経の働きを鈍らせ、勃起を妨げる要因となるため控えめにしましょう。

パートナーとのコミュニケーションとリラックス

心因性の要因が大きい場合、パートナーとのコミュニケーション不足や「失敗への恐怖」が中折れの引き金になります。性行為を「成功させなければならないタスク」と捉えすぎず、リラックスできる環境づくりを心がけましょう。悩みを率直に打ち明け、二人で共有することで心理的負担が和らぐこともあります。

生活習慣での改善をもっとくわしく →EDの治し方・改善法

セルフケアで足りないときの治療法

生活習慣の改善やメンタルケアだけでは中折れが改善しない場合や、より確実な効果を望む場合は、医療機関での治療が選択肢になります。

図2 中折れ(ED)で医師と検討する治療の選択肢

ED治療薬、陰圧式勃起補助具、低強度体外衝撃波治療、テストステロン補充療法の選択肢
原因や持病、服用中の薬を確認し、医師と相談して選びます。PDE5阻害薬は硝酸薬と併用できません。

ED治療薬(PDE5阻害薬)

中折れ治療の第一選択となるのが、「PDE5阻害薬」と呼ばれる内服薬です。国内では、シルデナフィル(バイアグラなど)、バルデナフィル(レビトラなど)、タダラフィル(シアリスなど)の3種類が承認されています。勃起を終了させる酵素PDE5の働きを阻害し、血管を拡張させるcGMPを増加させることで勃起をサポートします。[2] 作用時間に違いがあり、シルデナフィルは約4時間、バルデナフィルは約8時間、タダラフィルは約36時間とされます。

これらは性的刺激がないと勃起しないため日常生活に支障はありませんが、硝酸薬(狭心症の薬)を服用している方は併用禁忌となるなど注意が必要です。また、ED治療では毎日少量を続ける処方が用いられることもあり、これは医師の判断によります。

陰圧式勃起補助具(VCD)

飲み薬が体質に合わない、持病で使用できないといった場合には、陰圧式勃起補助具(VCD)が検討されます。筒状の器具で陰圧をかけ、物理的に血液を引き込んで勃起状態をつくる医療器具です。さらに効果不十分な場合の選択肢として、シリコンなどの器具を陰茎内に埋め込む「陰茎プロステーシス挿入手術」もあります。

低強度体外衝撃波治療

血管そのものへのアプローチを目指す「低強度体外衝撃波治療」も行われています。衝撃波を照射して新たな血管の形成を促すもので、ある報告では週1回・計6回のプロトコルで72.2%に勃起スコアの改善が認められたとされています。[3] ただし、日本では保険適用外(自由診療)で、効果のエビデンスは限定的です。

ホルモン療法(テストステロン補充)

血液検査でテストステロン値の明らかな低下(総テストステロン2.5ng/mL未満など)が認められLOH症候群と診断された場合には、男性ホルモンを補う「テストステロン補充療法」も選択肢の一つとなります。[1]

ED治療薬の種類・効果・選び方は →ED治療薬とは?種類・効果・副作用・選び方

中折れは何科にいけばいい?診療科とクリニックの選び方

いざ治療を受けようと思っても、何科を受診すべきか迷う方は多いでしょう。適切な専門医を見つけることが改善の第一歩です。

中折れの診療科

中折れを含むEDを専門に診療するのは、基本的に「泌尿器科」です。最近では、男性特有の悩みに特化した「メンズヘルス外来」や「ED外来」を標榜するクリニックも増えています。明らかなうつ症状がある場合や、ストレスなどの精神的な問題が主原因(心因性ED)と考えられる場合は、心療内科でのカウンセリングや心理療法を並行して考慮することも有効です。

受診する際のクリニックの選び方

クリニックを選ぶ際は、プライバシーへの配慮がされているかが重要です。性の悩みはデリケートなため、個室で診察が行われるかなどを確認しましょう。希望する薬を出すだけでなく、症状の経緯やLOH症候群などの背後にある疾患を丁寧に探ってくれる専門医・クリニックを選ぶことが、根本的な改善につながります。

受診先・オンライン診療の選び方は →EDは何科?病院とオンライン診療の選び方

まとめ|中折れは一人で悩まず、セルフケアと受診を

「中折れ」は、男性としての魅力や能力が永遠に失われたわけではなく、血管の衰えやホルモン低下、ストレスや薬剤といった明確な原因によって引き起こされる「ED(勃起障害)」の一つです。一人で抱え込んだり、恥ずかしいからと放置したりする必要はありません。

まずは食事・運動・睡眠の改善、禁煙といった日常のセルフケアから取り組みましょう。それでも改善が見られない場合は、無理をせず泌尿器科や専門のクリニックを頼ってください。現代では、有効性が確立したPDE5阻害薬をはじめ、さまざまな医学的アプローチがあります。この記事が、あなたの中折れ改善への前向きな第一歩となれば幸いです。

EDとは(基礎)EDの原因ED治療薬EDは何科?オンライン診療/EDの治し方・改善法

# 参考文献

1. 今井伸:お父さんの性の諸問題を考える. 治療 Vol.99, No.9(2017年9月)

2. 小林秀行:PDE5阻害剤無効の勃起障害への対処. 泌尿器外科 第37巻1号, 34-36頁(2024年)

3. 平山尚ほか:当院における勃起障害に対する低強度体外衝撃波療法の検討. 日本性機能学会雑誌 第39巻第2号(2024年8月)

4. 男性性機能障害診療ガイドライン2025年版(日本性機能学会/日本泌尿器科学会編、2025). https://www.jssm.info/

この記事の監修医 小栁 太一 医師/ユナイテッドクリニック・ED/AGA診療

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の診断・治療・医薬品を推奨するものではありません。効果には個人差があり、症状や治療についての判断は必ず医師にご相談ください。

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